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心の拠りどころ

年末年始、主人の実家に帰省しました。主人は年に1回は帰省していましたが、私は自身の病気の関係で帰省は5年ぶりでした。80歳を超える両親二人が暮らす家は見た目はきれいでしたが、築後20年を迎え老朽化が進み、何かと手入れが必要になってきているとのことでした。高齢ということもあり義理の姉が自宅近くの施設に来るよう話をしたそうですが、結果はうやむやに終わったそうです。おそらく二人で今後についてあまり話していないのだろうと思い、主人に話すきっかけをつくってみたらどうだろうと持ちかけました。すると、義理の母は自分の老いを認め、認知症などになる前に義理の姉の近くの施設に入りたいと思っていました。一方の父は経済的な面から施設に入るのはまだまだ先のことと思っていて両者に今後の生活についての食い違いがありました。が、穏やかに言いたいことを二人に言ってもらう大変有意義な機会となり、持ちかけた私は主人とともに大変満足しました。

 

話が終わった後、主人が席を離れた時に、父は私に「元気に戻って来れて本当に良かった」と言ってくれたので、「ありがとうございます。私の両親は他界しているので、ここが私の心の拠りどころです」と答えました。少しは気の利いたことが言えたかなと思ったのもつかの間、「そうか、そうか。いつでも戻っておいで」と相好を崩した父の言葉に違和感を覚えました。そう、言いたかったのは、「ここが心の拠りどころ」ではなく「お二人は心の拠りどころ」だったのです。今までの話はなんだったの?お母さん、悪気は全くないんです。あ~。失敗。でも本当に主人だけでなく私にとってもお二人は心の拠りどころです。できるだけ長く生きてくださいね。