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「理念の空白」と「においの多様性」──採用の本質を見つめなおす

新入社員を迎えるとき、あるいはキャリア採用で新たな仲間を迎えるとき、私たちはつい「即戦力か」「これからに期待か」という軸で語りがちです。でも、どちらも共通しているのは、「今この瞬間、会社の理念をまだ持っていない」ということ。

新卒は学校の価値観を、キャリア採用者は前職の文化を、それぞれ心の奥に抱えています。あるいは、それらを手放したくて新しい世界を求めてきたのかもしれません。いずれにせよ、彼らは“何か”を持ってやってくる。その“何か”は、時に会社の常識を揺さぶる風になることもあります。

多様性とは、においの違いを受け入れること

最近は「多様性=LGBTや国籍」といった目に見える違いに注目が集まりがちですが、私はもっと広い意味での多様性を大切にしたいと思っています。

それは、性格の違い、価値観の違い、行動様式の違い。そしてもうひとつ、その人が持っている“時代のにおい”

言葉の選び方、当たり前だと思っていること、違和感を覚えるポイント。そういった“におい”は、時代や環境によって微妙に変わっていきます。新しく加わった人たちは、そうした変化の兆しを自然と身にまとっていることがあるのです。

理念を「押し込む」のではなく、「育て合う」

だからこそ、受け入れる側の会社や組織もまた、ただ自社の理念を押し込むだけではなく、新たに加わった人たちの“におい”を丁寧に嗅ぎ取り、必要に応じて自らの価値観を見直す柔軟さが求められるのではないでしょうか。

理念は固定された石碑ではなく、時代とともに磨かれ、育てられていくもの。新しい風を受け入れながら、組織全体が少しずつ形を変えていく。そのプロセスこそが、持続可能な組織の成長につながるのだと思います。

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