コラム 歩幅 カメさんの道づくり 2025年10月17日 今日はカメさんのお話です。 森のはずれに、毎日少しずつ道を作るカメさんがいました。 誰も気づかないくらい、ゆっくりと、でも確かに進んでいくその姿に、森の仲間たちはいつしか安心を覚えるようになりました。 ある日、カメさんは道づくりをやめることにしました。 理由は、風の向きが変わったから。 「このまま進むと、風に押されて、... うらやすうさぎ
コラム 言葉の重さ待つやさしさ気づく力 「しごとって、だれかのためにすること?」 2025年10月16日 ある朝、森の郵便屋さんのネズミくんは、小さな手紙を届けに出かけました。 手紙には、たったひとことだけ。「ありがとう」 ネズミくんは考えました。 「この言葉を、どうやって運ぼう?」 風が強い日も、雨が降る日も、ネズミくんは手紙を濡らさないように、そっと葉っぱで包みました。 それは、ただの配達じゃなくて、気持ちを運ぶおしご... うらやすうさぎ
コラム 名前のない気持ち詩 言葉にならない気持ちの、根っこを探して 2025年10月15日 会社での会話は、まるでボールドのゴシック体で書かれた文章を読み合わせているようだった。 ストレートで、率直で、効率的。 それが好まれる空気の中で、私はふと立ち止まっていた。 会話って、本当にそれだけでいいのかな。 言葉の奥には、背景があって、奥行きがあって、沈黙やふとためらう表情にすら意味を持っている。 それは、去年取... うらやすうさぎ
コラム 銀杏並木 秋の風が運ぶ記憶 2025年10月14日 秋の風が頬をかすめた瞬間、遠い記憶がふと立ち上がった。 それは、前に住んでいた家の近くにあった銀杏並木。 黄色い葉が風に舞うあの道を、私はよく歩いていた。 あの頃は、派遣社員から正社員に切り替えてもらったばかりで、 仕事も生活も、何かに縛られることなく自由に感じられていた。 銀杏の葉がひらひらと落ちる様子が、まるで「こ... うらやすうさぎ