
2024年。
年初の占いでは、大変な年になり、異次元の域に突入とあった。
何が起こるか戦々恐々、恐る恐る蓋を開けてみたらその通りだった。。
年明けに、キャリアコンサルタント受験のためのリカレント校の養成講座に申し込んだ。そこそこのお値段のするその講座を申し込んだのには三つ理由がある。
一つはOLとして好むと好まざるとを含めて転職を繰り返して来た身として、それを逆手に取れるような何か手に職をつけたかったから。
もう一つは、今勤務している会社が結構な金額を負担してくれる講座で、さらにちゃんと必要出席日数を満たせば、国も負担してくれ、さらにさらに1発合格すれば国がお祝い金を出してくれるので、最終的に自分が負担するのは一桁万円代で済むということ(さらに会社でも合格による報酬があるので最終的には損益改善します)。
考えてみると、国はあれもしてくれない、これもしてくれない、と不満の声をよく聞くけれど、調べてみると国が個人を支援している制度は意外に色々ある。調べてみる価値はあるし、そこは評価するべきだと思う。ま、でもやっぱり税金と、医療保険は高いんじゃないかな。せめて賞与ぐらい全額もらいたい。
そして3つ目に、自分が集中して何かに取り組める環境にあることに気がついたことにある。
若い時にやりたいことが色々あったが、いざやろうと思うと実家の家庭環境だったり、嫁いだ先の家業の関係だったり、何かと水を差されて手を出せずじまい。結局、実の両親は他界した今、介護する相手もいない。仕事にも慣れて来ていて、還暦を目前に控えて、あれっ?これはいけるかも、と。
話を戻すと、学校は3月から8月まで毎週土曜日丸一日、オンラインで受講した。眠いのは眠いのだが、実は授業はおもしろかった。
興味深かったという方が気持ちにフィットする。発達心理学などの過去からの理論家の考え方を学んだり、企業の人事部が業務で使う知識や,法律などを聴講する内容。そしてそれらと同じくらい時間を割いたのは受講生同士のロープレ練習だ。片方がキャリアコンサルタント役で相手が悩みを聞いてもらうクライエント役。クライエント役をやる時は、過去の自分に遡って、当時の悩みを相談してみたりする。受講生が10名程度なので何度も同じ人に当たることもあるので、タイムマシンさながら過去の色々な自分に戻っては相談してみる。
実はこれが結構良かった。受講生同士もちろんまだプロではないものの、いずれはプロになる方たちに何度もコンサルティングを受けられるのである。
私、あの時後輩に抜かれそうで会社が嫌だったんだけど、抜かれて何が困ったり嫌だったんだろう?
出世の問題?人からの目?
あの時こんな相談ができていたらもっと自分にゆっくり向き合えたかもしれない。
キャリアコンサルティングを受けるって、抜き差しならぬ状態になっての駆け込み寺みたいなイメージがあったけれど、もっと前の状態で、ちょっとモヤモヤしてるんです、と気軽に相談できる場として存在するといいなぁと思った。
そんなこんなで8月に学校を無事終了、会社の夏休み9連休中は、スマホで1問1答に専念し、翌月は市販のテキストを読みながら問題を解き、10月には学校の模試を受けがっくりし、住んでいるマンションの集会所に、受講生を招待して対面でのロープレ練習も行い、自分の中では精一杯の努力に励んできた。
そして本番の11月。現地で、模試の優等生の学友に偶然出会えて、ご利益に預かれるかも、とドキドキしながら挑んだ学科試験の午前。一通り終えて、マークシートへの記載ミスがないかをチェックし終えて、本当にその答えでいいか、再度確認して、幾つか直したところでタイムアップ。
お昼は買って行ったパンを二つ胃袋に押し込み、午後の論述試験に備えて過去の模範回答に何度も目を通した。パンの種類と味は全く記憶にない。
そして試験開始間際に、持って来たラムネを2つ口に放り込む。
集中する時はラムネがいいよと学友が教えてくれた大切なお守りだ。
いざ試験開始!
時間が足りないのは織り込み済み。問題用紙に線を引きながら、回答にあたる。字が下手なのは百も承知。読んでいただけるかなと不安をよそに時間に追われながら書き進める。
終わった!
もう一度最初から問題文を落ち着いて読んでみる。
あれっ?3問目の答え、違うんじゃ。頭の中が真っ白に。
でもそれを直すと4問目のストーリーが崩れる。
いい、放っておこう。勇気を振り絞って汚い回答文に日本語の誤りがないかの最終チェック。
そしてタイムアップ。
終わった。
ふと周りを見ると皆んな思い思いのいでたちで挑んでいた。
自分の格好を冷静になって見直してみるとジーンズにTシャツ、夏もののカーディガン。うん、近所のスーパーに行く格好と変わらない。11月初旬とはいえ、妙に暑い日で、腕を曲げた時に抵抗がないように、また最悪脱ぎ着できるようにと考えた服装だった。近所のスーパーへの買い物と違うのは素足にパンプスだったところ。
思い返せばすれ違った優等生、顔は小さいし、黒っぽい上下のコーディネートで知的な香りが滲み出ていた。
そうなんだよなぁ、駒場東大という人生でそんなに訪れる機会がない、日本でも最高峰の知の集積地。もうちょっとその場にふさわしい格好をしてくれば、と学校から駅の改札口へとトボトボと歩いて帰った。
試験翌日、また家の集会所に仲間を呼んでロープレの練習に励んだ。しばらくやらないでいると勘が鈍る。
お昼をマックで調達して、最後に残ったのは私と男性二人。意見や情報交換をして散会。
いよいよ今週末に面談本番だ。
面談試験は何日にも分かれて開催されていて、私はトップバッターの方だった。
普段ふわっとルーズな格好で会社に行っているのでこういう時のキチンと感のある洋服を持ち合わせていない。
事前に、イトキンのネット販売で
オープンカラーの黒いフェイクレザージャケットと、襟が立ってジャケットのラウンドネックから出るタイプのブラウス、グレーの膝下スカートを購入。併せてブルーのA4サイズが入るOLっぽいバッグも買った。
当日それらを身につけてみて、フェイクレザージャケットは攻め過ぎだったか、とこれまた少し後悔したが、後悔後に立たず。
意を決していざ出陣。
面談の試験のことは口外しないこととなっているので、ここでは割愛します。
ただ、面談が終わった後、ああ言えばよかったの後悔の念に押しつぶされそうだった。
学科の正解発表が先にあって、
面談も併せての合格発表は私の面談試験後1カ月あまり経っていて12月半ば、すっかり冬だった。
何度もネットの合格の受験番号と手元の受験票の番号を見比べた。
あった。
在宅でオンライン面談をしていた主人にLINEで受かった旨伝えた後用事で外出した私の足取りは文字通り軽やかだった。
-ここまで読んでくださってありがとうございます。
この合格は、一緒に励まし合いながら学んだリカレントでの同期と一人ひとりに真摯に向き合ってくださった先生方の存在と、
家事を全く顧みなくても文句を言わなかった主人の配慮と、
学科試験目前に年休を勧めてくれた会社の上司の器の大きさの上に
成り立っています。
一時話題になった「置かれた場所で咲きなさい」でも、年末の3日は自分に向かい合う大切な日で、1日目が反省、中日にはその年していただいた恵に感謝する日、3日目が来年への決意の日だそう。(kindleはブックマークが出来るのでこういう時に便利)
こうして言いたいことは、色々ご迷惑をおかけし、ご協力いただいた皆さまへ深く感謝しています。
とともに、人生長い目で見ると人それぞれにアップダウンのタイミングが違うということ。もしついていないなと思っていても、チャンスは巡ってくる。人と比べず、やるべきことを淡々と行い、チャンスを待てば海路の日和ありを実感したことを最後にシェアさせていただきます。