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猫描家を目指して

〜スーッと抜けない絵とことば〜

今日、色鉛筆画の先生がこんなふうに言ってくれた。 「写真の通り、数分たがわぬように描く必要はありません」

その言葉に、私はふっと肩の力が抜けた。 嬉しかった。 私の絵は、写真そのものにはならない。 でも、それでいいんだと、改めて思えた。

写真のように描く人をどうこう言うつもりはない。 むしろ、その精緻さにはうっとりする。 絵が静かで、凛としていて、美しい。

でも、私の絵はちょっと違う。 もともとアクティブシニアな私が描くせいか、 どこかに動きがある。 うまいか下手かで言えば、きっと下手。 でも、なんか憎めない。なんか気になる。 そんなふうに思ってもらえたら、すっごく嬉しい。

描くことも、書くことも、私は好きだ。 書くことは、企業での広報実務も含めて、何十年も携わってきた。 広報に求められるのは、頭にスーッと入ってくる文章力。 でもね、それは私にとって「スーッと抜けていく」感じでもあった。

私は、あまりうまいとは思えない、でも何か引っかかる、 何か温かみがある、心に訴える、そんな文章を求めてきた。 だからかもしれない。 絵も、スーッと入ってくるような静の絵ではなく、 どこか引っかかる絵を追い求めてしまう。

還暦を過ぎて、健康寿命が尽きるまで、 私は「描く」と「書く」を楽しみながら追求していこうと思う。 そうして、書くことも含めて、 猫描家(びょうびょうか)と呼ばれたいな。

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