
✈️遠方の戸籍を持つ私がパスポートを取るまで
〜広域交付制度の“光と影”と、働く人のための行政を考える〜
旅の準備を始めようとしたある日、ふと気づいた。 「そういえば、私の本籍って今住んでる場所じゃないんだよね」
そう、パスポート申請には戸籍謄本が必要。しかも、6ヶ月以内のもの。 そして私は、本籍が遠方にある。
「広域交付制度」という希望
2024年から始まった戸籍の広域交付制度。 本籍地じゃなくても、全国の一部の役所で戸籍謄本が取れるようになった。 「これで帰省しなくてもいい!」 そう思って、最寄りの行政サービスセンターへ。でも、そこで知ったのは…
広域交付は、平日9:00〜17:00だけ
たとえ役所が夜間窓口を開けていても、 相手側(本籍地の役所)がその時間に対応していなければ発行できない。 つまり、広域交付でも、実質“平日昼間しか使えない”。
結局、働いている人は休まなければならない。 それって、ちょっと不便すぎない?
働く人のための行政サービスって?
日本の労働人口のうち、どれだけの人が平日昼間に働いているだろう。 それなのに、行政サービスの多くがその時間しか開いていない。
せめて週に1〜2日、平日夜間や早朝にずらした窓口があってもいいのでは? シフト制で働く人も、フルタイムで働く人も、 「暮らしの手続き」がもっと自然にできるように。そのためには全国の自治体が連動する必要がありそうだ。それが難しいのならそもそもシステムでなんとかならないのかな。
まるで「森の泉が昼間しか湧かない」ような不便さ。 夜にしか動けない鳥も、朝にしか咲かない花もいるのにね🌿
名前が変わることの不便さも、静かに積もっていく
今回のパスポート申請では、旧姓のパスポートを紛失していたこともあり、 再申請の手続きが必要だった。 戸籍謄本には新しい姓が記載されているけれど、 本人確認書類や過去の記録との照合には、旧姓とのつながりを証明する手間がついて回る。その時に行政サービスを受けられる時間が限られている。
こうした不便さが、夫婦別姓を望む人の理由になっていることもあるんじゃないかな。
名前が変わるたびに、証明書を取り直し、説明を加え、 暮らしの地図を何度も書き直すような感覚。 それが煩雑で、時間も手間もかかるからこそ、 「別姓のままでいたい」「旧姓を併記したい」と思う人が増えるのも自然な流れ。
行政がその声にまだ十分応えていない現実も、静かにそこにある。
それでも、ようやくパスポート申請へ
戸籍謄本を手に入れて、ようやくパスポート申請。 最近はオンライン申請もできるようになって、 受け取りだけ窓口に行けばOKという便利さも出てきた。
ただし、紛失や旧姓からの変更がある場合は窓口申請が確実。 そして、パスポートセンターも平日17:00までのところが多い。 一部の都市では夜間や土日も開いているけれど、それも限られている。
遠方の戸籍を持つ人の選択肢まとめ
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 本籍地の役所で直接取得 | 即日発行 | 交通費・時間がかかる |
| 郵送請求 | 自宅から申請可能 | 日数がかかる(1週間〜10日) |
| 広域交付制度を利用 | 近くの役所で取得可能 | 平日昼間のみ、即日交付でないことも |
| パスポートのオンライン申請(マイナカード) | 戸籍提出不要な場合あり | 条件に注意、対応自治体限定 紛失や氏名変更などの場合は、戸籍提出が必要になることも |
旅の鍵を手に入れるまで
戸籍謄本を取りに行く、という小さな一歩が、 こんなにも時間と手間を要するとは思わなかった。
でも、だからこそ思う。 行政サービスは、もっと暮らしのリズムに寄り添ってほしい。 働く人が、無理なく手続きを進められるように。 名前が変わっても、暮らしが途切れないように。
パスポートは、未来への扉の鍵。 その鍵が、もっと多くの人に届きやすくなりますように。















